屋根防水について

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札幌市内の住宅の多くは、スノーダクトという特殊な形状の屋根になっています。無落雪屋根とも言いますが、長年使用されていることも踏まえて地域性を考慮した画期的な屋根形状です。

スノーダクト屋根
排水溝

軒先がなく、本州の人が見ると四角い不思議な家のカタチと思う、屋根の勾配が建物の内側になっています。

メリットとして

  • 落雪しない雪下ろしが不要
  • 雨水が外周部に落下しないので基礎や外壁が汚れない
  • 雨水が外周部に落下しないので雨音が静か

デメリットとして

  • 部材が増えるので施工費が少し高い
  • 雨漏りなど、施工技術力に左右される
  • 凍結防止ヒーターを設置の場合、電気代が高い

しかし、スノーダクトの屋根形状は太陽光の設置に向いていません!!一昔前は架台を設置したりしていましたね…

今回は防水の話なので、ここでは解説しませんが・・・

ルーフィング施工

ルーフィング
防水紙とも呼ばれる屋根の下葺材

屋根材の下にはルーフィングと呼ばれる防水紙があります。

このルーフィング(下葺き材)は種類がいろいろあります。

屋根の下地として施工されている下葺き材はJIS規格が定められています。

その多くは、アスファルトルーフィング940(JIS A 6005)適合品と呼ばれる上記写真の下葺材が標準的に使われています。

近年、大手ハウスメーカーでは国の方針でもあるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の推進すすめ、太陽光パネルの設置を積極的に施工しています。注文住宅の建築で棟数が第1位の会社は太陽光を標準化して販売しています。

その会社は、太陽光パネルの架台を屋根に取り付ける際にビスで固定しています。

また、北海道でも使用されている耐久性に優れた石粒付き金属瓦の普及もあってビス止め施工の屋根の雨漏り防止、トラブルを防ぐためにも、2次防水の重要性を考えた施工方法を研究しています。

大手ハウスメーカーでは、先に紹介したアスファルトルーフィング940では、ビスに対する止水性が確保できないため、アスファルト工業会がすすめる、ARK-04s規格を満たす改質アスファルトルーフィング(ゴムアスルーフィング)で施工することが標準となっています。

※アスファルトルーフィング工業会より資料引用

仕上げ材となる屋根板金の下にあるので完成すると見えず確認できません!

しかし、この下葺き材が防水に関して重要なポイントなのです。

改質アスファルトルーフィングの特徴

※アスファルトルーフィング工業会より資料引用

少しでもコストを下げたい建築会社は、価格が少し高い、優れた性能の改質アスファルトルーフィングを使いません。

もしかすると、屋根板金を施工する工事店さんに全てまかせているのでルーフィングの違いを知らない勉強不足な工務店さんもいるかも知れません・・・

屋根板金にビス穴を開けない、キャッチ工法で太陽光パネルの架台を取り付けるから、従来の安価なルーフィングでOK?

キャッチ工法とは、板金のハゼ部分に掴み金物で固定する工法ですが、積雪の多い札幌の屋根でも大丈夫?

実際に昨年の大雪で、架台ごと破損した事例が多数あるようです・・・

屋根に太陽光を載せるなら長期間トラブルなく稼働する屋根の形状で屋根材、下葺き材、固定金具もどのような仕様か絶対に確認しましょう!

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